2019-11-18 Mon 20:40
盗み見する目線の先、彼はいつもの彼のようで、私の知らない彼。
声も仕草も家でいつも見ているそれで。 そんな彼が壁に持たれて、腕を組んだ瞬間、私の時は止まった。 目線はカメラのピントがF値1.8で彼にしか合っていないみたいになる。 私は思う。 もしも職場に彼がいたら、私は一目惚れしていたんだろうなって。 彼は、私に惚れただろうか。 自信なんかあるわけなくて、同じ職場じゃなくてよかったと、あり得ない想定に無駄な安堵をする。 彼は私を見つけて話しかけてくる。 お昼ごはん、一緒に食べれなくてごめんねって謝っている。 そんな彼はもういつもの私を見る優しい目。 ただそれだけのこと。 でも、私にとっては忘れられない瞬間。 もういっかいあの人を好きになった瞬間。 |
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