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神に祈った事それは...早くあなたのお気に召される様に
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れんげ畑
2014-03-31 Mon 17:06
一雨降るごとにぐんと近寄る春。
雨はしとしとと、生温く気怠く降る。花粉なのか、PM2.5なのか、白く霞む空気。そんな中でぱっと目を引く明るい色のお花。
お花を見たまま、ぼんやりとしてしまっていた。自分がどこにいるのかわからなくなる。頭の中には、笑っているあの人の顔が浮かんでいた。

わかっていた、春がくることを。
たんぽぽ。スイセン。かすみ草。チューリップ。そして、桜。

その人の笑った顔は、どんな日でも明るく咲く花のようで。いつだって、あたしを笑顔にさせてくれた。二人はとても仲良しで、とてもよく笑った。どうでもいいことばかり、けらけらと。どうでもよくないことまで、どうでもいいことにしたりもして。

「淋しいね」
その人は、ほんとうに淋しそうにそんなことを言う。
「そうだね」
あたしは、なんともない振りをする。

そんなことわかりきっていたことじゃん。それなのに、そんなことを言われたらもっと淋しくなっちゃうじゃん。あたしは、心の中で呟く。

桜が満開になる頃、もう二人は同じ場所にはいない。
二人で笑い合った日々も、もうここにはなくなる。

どんどん膨らみ、色付く蕾を見た瞬間になにかが湧き上がる。
その人を失う哀しみ。心底好きだったあたしの想い。二度と戻ることのない二人の時間。
一気に溢れてくる気持ちを、押さえきることができない程の想いを、涙で歪む桜の木を見上げながら、唇を噛みしめて痛いほどに刻みこむ。


ただあなたとお月様の下 ときめいた愛おしい日々を
Love is the greatest thing
Love is the sweetest thing
I hope that he tune out be
someone to watch over me

           『れんげ畑』

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