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神に祈った事それは...早くあなたのお気に召される様に
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此処彼処
2009-07-04 Sat 09:48
20090704095205
川上弘美さんの『此処彼処』を読みました。



今回もしみじみと、よかったと噛みしめる感じでございます。
『此処彼処』は場所にまつわるエッセイ集。
いちばん好きだった場所は「世田谷』。

追随を許さない(というか、誰も追随したくないだろう)道筋だった。

…という、この言葉に惚れ込みましたね。
いいよねー、「追随を許さない」。
かっちょいい。
話的にもすごくすごく面白くて、この本を読んでる最中にときどき世田谷に戻って、読み返しては笑い、読み返しては笑う繰り返しを五回はしたように思います。

ほかのお話もねー、せつなかった。
なんか川上さんはいままで意識的に具体的な地名をしるすことは変な重みが加わってしまうと思って避けていたらしいんだけど、わたし的には地名が加わることで、川上さんがそこにいて、そこで感じたこと、という意識が強く占めて切なさが増す感じでした。
あと、季節にも沿って描かれていて、これがまた切なさを込み上げさせるんだな。
1月から、2月3月と順に読んでいき、6月を過ぎる時のあの言葉にならない酸っぱさ。
「あー、6月がきちゃったあ。どうしよう、6月、読んじゃうよ。ほんとにほんとに、読んじゃうよ」、みたいな意味不明な感じ。
ほんとに意味不明だよね。
んでもって、7月になったときの悲しみとほんのすこしの安心感。
いやあ、ほんとダメだった。

日本橋、長崎、マダガスカル、高井戸、北千住、大手町。
どこの町にも、どの季節にも、せつないせつない川上さんがいて、いまもどこかにいるせつない川上さんを想い、やっぱりせつない、と嘆きとも悦びともとれるようなため息をつく。
いつの川上さんも大好きでした。

んで、ちょっとしたおまけ。
小豆島とフィレンツェ。
こまめじま、しょうとうじま、しょうどしま。
蛸よ蛸。
せつなさと恥ずかしさと笑いのおまけ。
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